2000年代後半に銀座で初個展をされ、完売という名誉を得られた富永氏。その店は私が時々仕事の帰りに寄るお店だったが、久しぶりに立ち寄ってみると2つだけ残された作品があり、そのひとつを求めた。名前の知らない若い作家だったが、次回の個展がもう決まっているという。店主にお願いして、ぜひその節は富永氏に会わせてほしいと伝え、購入したものを包んでいただき、家に持ち帰った。しかし、その後個展の話は聞かれず、久しぶりに立ち寄ったその店に店員に聞いてみると、言いにくそうに、　事故で亡くなったと告げられた。まだ若いのに、そしてこれから大家になるであろう、繊細な薄造りであり、年齢に似合わず、落ち着いた品の良さを兼ね備えた酒器をとても楽しんでいたので、事故の話を聞いて愕然としたものです。奥様や友人のご尽力で没後、これから活動する予定だった新しくした窯の写真が掲載されている追悼文集が売り出されました。あれから十数年経ちますが、現在お酒を辞めてしまったので棚にしまってあります。この先そのまま持っていてもいいのですが、箱に仕舞われたまま使われずに置くのは何とも忍びなく、今回ご希望の方があればお分けしようと思いました。私の購入した値段より少しお高くしてあるのは彼の将来を見据えて、きっと名工になっていたであろうという富永氏に対する気持ちを込めています。ご理解をいただける方にお願いいたします。数日おいて特に希望者がなければそのまま私が持ち続けるつもりです。手のひらに収まるような可愛らしい酒器。いささか文章が長くなりましたが、そんな思いを汲んでくださる方にお願いいたします。直径5cm 高さが4.2cm 海外発送。お皿/お椀/デザート食器...その他カラー...ベージュ